PEAK COLUMN vol.1
第1回は、「新城テラス」のお話です。
新城テラスは川崎市の武蔵新城にあるコミュニティカフェです。マンションの大家さんでもあるオーナーは、地域住民が集い、人と人を繋ぐ、まちづくりの拠点となるカフェを求めていました。そこで、カフェをつくるにあたり必要な材料や食材などを徹底的に知人や地域の人とのつながりにより調達をすることにし、地域内外のものを紹介し、知ってもらうきっかけをつくる場として位置づけることにしました。結果、カフェの内装材としてはオーナーの友人の実家がある北海道知内町産のスギを用い、45角の角材とし、壁、天井に格子状に組むことにしました。格子状に組まれたスギ材は、天井では照明やプランターをかけて使用し、壁面では展示棚や引っ掛けパネルによる掲示として機能しています。通常時はここに関わっている珈琲豆やパンの提供者、陶芸家等の紹介やイベント情報などが展示されていますが、イベント時にはパネルを増やし、ギャラリーとしての利用もしています。椅子やテーブルにも同じスギの角材を使用しており、組み合わせによって長い大テーブルとすることも、バラバラに使用することも可能とし、まちづくりの拠点として様々な用途に対応できるよう計画しました。この格子状に組まれたスギ材は、壁、天井、カフェカウンターをトンネル状につなぎ、前面道路からも中の様子が伺えるようになっていて、 柔らかい表情を地域に対してつくり出すとともに、カフェの奥にある中庭、パン教室、イベントスペースへ連続していく奥行きのある空間を作り出しています。
作品は弊社ホームページでもご覧いただけます。
http://www.peak-studio.net